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温泉旅館 (35)よろめき

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温泉旅館 (35)よろめき

「お母さん、どうしたの?」
沙紀が和服美人に声をかけた。

「女将の紀香です…、娘の沙紀がご迷惑をおかけしたようで、本当に申し訳ございません…、あなたが横で騒いでいたら、先生、余計に疲れてしまうでしょ」
沙紀の横に座った紀香の凛とした声には、有無を言わせない響きがあった。

「…ごめんなさい、お母さん」
シュンとなった沙紀がつぶやくと
「女将と呼びなさいと、いつも言ってるでしょ…、先生にご迷惑ですから、おいとまなさい…」
紀香の迫力に何も言えない沙紀が、
「…じゃあね、せんせい」
三つ指を突いてお辞儀をすると、逃げ出すように部屋を出て行った。

「お客様も、ご苦労様でした…、先生の面倒は私が看ますから、お休みになってください」
今度は矛先を真由に向けた。優しい口調だが逆らいがたい紀香の雰囲気に
「そうですね、レポートまとめなきゃ、じゃあ、先生、またあとでね」
真由はウィンクと投げキッスをすると、ほうほうの体でやはり逃げ出すように部屋を退散した。

「沙紀はいつまでも子供で…、ご迷惑をおかけして、申し訳ありません」
部屋に二人きりになると、丁寧に頭を下げた紀香は親しみのある笑顔を見せた。
「…、いやあ、ご迷惑なんて…、とんでもないです」
和服美人のちょっとエッチな雰囲気のある笑顔に、私はデレデレした笑いを浮かべていた。

「お手をよろしいですか?…」
ニッコリと可愛さを感じさせる笑顔を見せる紀香に
「は?…」
私がニヤけて見とれていると
「…、女将をやる前は、看護婦してましたの…、今は看護師と言うんでしたね、オバサンでゴメンなさい…、お脈、よろしいですか?…」
オバサンと自分で言う紀香の照れたような笑顔は、とても沙紀のような高校生の娘がいるとは思えないかわいさだった。

「オバサンだなんて、とんでもないです…、おねえさんと言われたら、信じますよ」
私は布団から手を出して、お世辞抜きで正直な気持ちを口にしていた。
「まあ、お上手ですのね…、でも、うれしい…、あっ…」
私の言葉にうれしそうに笑った紀香は、たおやかに女体を傾けて首をかしげた。髪をまとめてアップにしたうなじの襟足がセクシーだった。しかし優しく私の手を取った瞬間、かすかに顔色を変えて素の表情になっていた。

「…、どうかしました?…」
紀香は脈を取って手の甲を着物の太ももに押しつけていた。私は太ももの柔らかい感触を感じて幸せな気分に浸っていたが、紀香はその姿勢のまましばらく動かなかった。一瞬だったが、何かが乗りうつったかのように紀香がこの世のものとは思えない妖しい色香を発散したのを見た気がした。
「…、あっ、いえ…、せんせい、いい手相なさってますね…、見せてもらってよろしいかしら」
ハッとなった紀香は入ってきたときの表情に戻って頬を染めた色っぽい笑顔を見せると、私の手をいとおしそうに握って小さく湿ったため息を漏らした。

「はあ、そうですか…、それじゃ、お願いします」
手相見などに興味のない私だったが、女将の柔らかい手の感触にうっとりして握られた手を預けていた。
「…ほら、生命線、こんなに長い、先生、長生きなさいますよ」
手のひらを指で妖しくなぞる紀香に私はゾクゾクして欲情していた。布団の下で息子はもう元気になっていた。

「…それに、これ」
指先でクリクリするように手のひらを刺激した紀香が、ウットリした笑みを浮かべて意味深な視線を向けていた。
「なんですか」
劣情を誘うような男心をそそらせる色香を漂わす美人女将に、昂奮した鼻息を鳴らした私はその先をうながした。

「これ、絶倫線っていうんですけど…、先生、すごいです…、ずいぶん女を、泣かしてきたんじゃ、ありません?…」
ヒザをゆるめて女座りした女将は握った手を胸に押し当てながら、色っぽい目つきで見つめていた。はだけた着物のスソからかすかにピンク色をおびたナマ足がのぞいていた。
「それは、どういうことで?…」
絶倫線という聞き慣れない言葉に全く拘泥することなく、劣情に囚われた私は着物の合わせ目に手をねじ込むと、柔らかい胸の感触を楽しんでいた。

温泉旅館 (36) につづく
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