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== 少女真希 ==

少女真希 (48) お願い

裏ろま中男 作品リスト
少女真希 目次

少女真希 (48) お願い

喫茶店で真希とエリは向かい合って黙ったまま座っていた。

「…」
エリは何か優しい言葉をかけたかった。自らも痴漢に翻弄されて意識が朦朧としていたとはいえ、目の前で教え子が痴漢に強姦されるのを看過した責任を感じていた。

「あの…、」
真希が顔を上げてエリを見つめた。真希は警察での取り調べにずいぶんへこんだが、タクシーの中で泣きまくったおかげでだいぶ落ち着いていた。
「…、なに?」
エリが心配そうな笑顔で真希を見つめた。

「…、今日のことは、内緒にして、欲しいの」
真希は思い切って言った。一応被害者ということになっているが、電車の中で強姦されながら淫乱な欲望に乱れて、喜びを感じていたことがまだ生々しく記憶に残っていた。
「せんせい、お願い」
これがおおごとになると昨日のことまで知られそうだった。昨日も太一に強姦されて性奴隷として宣誓までしたことは誰にも知られたくなかった。もしも雄次に知られたら死んでしまうしかない、とさえ考えていた。

「…」
エリは真希が必死な表情で訴えるのを黙ってみていた。エリだって痴漢に股間をもてあそばれて、はしたなく股間を濡らした上に気持ちよくなって快感で自らを見失って悦楽の中に漂っていたことは、自分だけに納めて誰にも知られたくなかった。

「…、でも、このことをお父さんやお母さんに、隠しておくことは出来ないと思うの」
教師としての精一杯の言葉だった。真希の気持ちが痛いほどわかるエリは言うのが辛かった。

「…」
真希はエリの言葉に一瞬悲しそうな目を向けたが、
「このことが知られたら、私、死にます」
すぐに毅然とした表情になると真剣な目でエリを見つめた。

「…」
真希に見つめられてエリは目をそらせずにいたが、真希の悲壮な覚悟に涙がこみ上げてきた。
「…」
目にいっぱい涙が溜まって目尻からこぼれた。教師といっても今年なったばかりのエリは、真希に友達のような感情を持っていた。あるいはおねえさんのような感情かもしれない。

「…」
エリは涙でにじんでぼやけた真希の顔を見つめていた。エリに妹はいないがもし妹がいてあんなひどい目にあったら、エリになにが出来るだろう。なにも出来ない自分が情けなかった。

「…ゴメンネ」
どうにも堪えきれなくなったエリは顔を伏せるとポロポロと涙をこぼしていた。
「…、ううっ」
泣き出したエリにつられて真希も泣き出した。顔を伏せて声を殺して泣いていた。

「…」
涙があふれて顔を上げられなかったエリだったが、真希が泣いている気配に涙をぬぐって真希に視線を向けた。
「…」
顔を伏せて肩を振るわせる真希を見て、自分が泣いている場合ではない、と自らを叱りつけると、
「…、真希さん」
優しい声で呼びかけたつもりだったが泣き声が混じっていた。

「守るから、私が真希さんを、守る」
エリは自分を奮い立たせて肩を振るわせる真希に声をかけていた。
「だから、安心して」
エリはカワイイ妹を本気で守りたいと思っていた。

「…」
真希はエリの言葉に涙に濡れた顔を上げてエリの目を見つめていた。エリは懸命に笑顔を作って真希に応えていた。
「…、ふたりだけの、秘密にしましょ、ね」
エリはぎこちない笑顔で問いかけていた。
「…」
真希はまだ泣いていたが、うん、とうなずいていた。

エリは冷めたコーヒーを下げてもらって暖かいココアを頼んだ。ふたりは黙ってココアを飲んだが、ココアの温かさに気持ちがだんだん落ち着いてきた。

「…じゃあ、いこうか」
エリがお金を払おうとすると喫茶店のおじさんはココア代だけ受け取った。優しく笑うおじさんにエリは丁寧に頭を下げて喫茶店を出た。

「…、送っていくわ」
エリが真希に優しく言うと
「…大丈夫です」
真希がぎこちない笑顔で応えた。

「…、うん」
真希を送っていって両親に会ってしまったら、今日あったことを話さなければならない。それは真希を追いつめるだけだと考えて、心配だったがひとりで帰らせることにした。

「…、気をつけてね」
心配そうな笑顔で真希を見つめるエリに
「…せんせい、ありがとう」
真希は一生懸命笑顔を作って応えた。

「…」
駐輪場に向かう真希の後ろ姿をずっと見送っていたエリは、ホームに向かって歩き出した。

次の日の朝、エリは警察に行って昨日の女性警官に事情を話して、すべて自分が責任を持つから、絶対に両親には話さないで欲しいと頼み込んだ。土下座までしそうな勢いのエリの気持ちをくみ取った女性警官は、自らも責任を取る覚悟でエリの頼みを受け入れた。

(49) メグにつづく
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