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== 秀香蘭高校放送部 ==

秀香蘭高校放送部(32)タダシ

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秀香蘭高校放送部 目次

秀香蘭高校放送部(32)タダシ

「美那雄さん、マコ、行ってらっしゃい、早く帰ってきてね」
制服姿のミナヲをマリコはなんのこだわりも見せずに笑顔で見送った。まだ出勤に余裕があるのか、裸族のままでお見送りだった。

「…、あの、聞いていい?…」
(とりあえず、確認しないと…)
台風一過の朝は眩しいくらいの晴天だった。並んでバス停まで歩いた。いろいろ聞きたいことがあった。
「いつもは自転車だけど、昨日の雨で、学校に置いてきたから」
まっすぐ前を向いたままのマコは、言い終わらないうちに見当違いの答えを返してきた。
「あ…、そう…」
(そうじゃなくて…、でも、あんなに濡れてたのは、それか…)
期待した答えじゃなかったが、昨日の朝に純白セーラーがブラ透けするほどビショ濡れだったのは自転車で通学したからだとわかったのは収穫だった。

「いや…、あの、パパのことだけど…」
(…、やっぱり、聞かないと…)
出鼻をくじかれてはぐらかされたが、マリコママが自分を亡夫と勘違いする事情はやっぱり聞いておかなければならないと思った。
「…、パパは私が小学校を卒業する前に、死んじゃった」
無表情な横顔はそう言うと口をつぐんだ。声色に悲しみが漂っている気がなんとなくした。
「そうか…」
(…、その先が、知りたいんだけど…、聞けない…)
想定内の答えだった。そのあとの事情が知りたいのだが、すました横顔はこれ以上聞くなと言っているようで聞けなかった。

それ以上聞けないままバス停に着き、ちょうどバスがやってきた。

「あ、先生…、お、おはようございます」
(え…、英梨先生…)
通勤時間のバスは混んでいたがなんとかマコと一緒に立ち位置を確保すると、すぐ横に担任の藤堂英梨がいた。秀香蘭入学以来バス通学をしているが、英梨と一緒になったのは初めてだったので驚いた。
「あら、あんっ、徳川くん、おはよう、同じバスだったのね」
走り出したバスの勢いに押された若い肉体は美人教師の熟れた肉体を押して密着したが、英梨は気にする様子もなく明るい笑顔で挨拶を返してくれた。
「あ…、うははっ、あははっ、そうですね」
(あへっ…、柔らかい、気持ちいい…、英梨せんせい、いいなあ…)
入学以来憧れ続けた担任教師の肉体と密着するつかの間の幸せだった。意味のない愛想笑いを浮かべるミナヲは、昨日から始まった酒池肉林やマコの存在を忘れて浮かれた。

「よう」
揺れるバスで憧れの美人教師の肉体と触れ合う至高の体験に浮かれてだらしない笑いを浮かべていると、英梨の肩越しに声がした。
「え…、タダシくん?!」
声の主は近所に住んでいたタダシだった。頼りになる兄貴分であり、かっこいい先輩として尊敬していた。

9年前にミナヲが小学校に入ったとき、3歳年上のタダシは年長のお兄さんとして面倒をみてくれた。タダシが中学に入ってからも付き合いは続いたが、気難しくなってとっつきにくい時期でもあった。しかし地元の高偏差値公立高に合格してからは、由貴というカワイイ彼女と付き合うようになって自信を取り戻したようだ。そして今年由貴と一緒に東京の有名大学に進学した。

「ミナヲ、元気だったか」
タダシが東京に行って以来だから3ヶ月ぶりだ。以前と変わらないちょっと小馬鹿にしたような口調で笑っていた。
「うん、どうしたの?」
(…、大学…、休み?…)
そんな笑顔をつられて笑ったミナヲだったが、大学はまだ休みになってないはずで、この時期に里帰りしているのが不思議だった。

秀香蘭高校放送部(33)につづく

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