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== 義姉さんと孝雄 ==

義姉さんと孝雄 (3)駅までの道のり

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義姉さんと孝雄 目次

義姉さんと孝雄 (3)駅までの道のり

「いっしょに行きましょうか」
朝食の片付けを済ませた伊織が、テレビを見ていた孝雄に声をかけた。

「あ…、そろそろ、時間か…」
それは孝雄から言おうとしていたセリフだった。伊織と二人で出掛けたことがまだなかったので、興味のない朝のテレビを見ながらどうしたら自然に誘えるか考えているうちに伊織に先を越されていた。
「行きましょ」
考えていることを見透かされた気がしてドギマギしている孝雄を、妙に嬉しそうな笑顔で見て伊織は玄関に向かった。
「おっ、あわっ」
置いてきぼりにされそうで慌てて立ち上がった孝雄は軽くつまづいたが、たたらを踏んだだけで伊織を追って家を出た。

「あ…、孝雄さん、戸締まりちゃんとしてくれました?」
伊織と並んで歩く孝雄は妙に緊張してソワソワしていた。ふいに話しかけられて大袈裟でなく本当に心臓が口から出そうなほどドキッとした孝雄は
「あ、ああっ、うんっ、お、オートセキュリティだしっ、うんっ、大丈夫っ」
落ち着いた風を無理やり装っていたが、返事した声が完全にドモっていた。
「あ…、そうでした、まだ家のことよくわかってなくて…、ごめんなさい」
新居の防犯システムにまだ慣れてない義姉は、以前セキュリティシステムを説明されていたのに忘れてしまっていたことにえらく落ち込んだ様子を見せた。高校3年間学級委員を務めた優等生は、こういう生真面目なところがある。
「あ、いやっ、それはっ、うんっ、しょうがないからっ、ねっ、姉さんっ」
黒縁メガネの地味女が落ち込んで陰々滅々とするのを引き気味に見た孝雄だったが、まだ慣れてないだけだと可哀想に思う気持ちも強くて慰めていた。
「…、孝雄さん、ありがとう…、わからないことが多いと思いますけど、いろいろ教えてくださいね」
あたふたする孝雄にちょっと笑顔を見せた伊織は、いつもの他人行儀な言葉遣いで丁寧に頭を下げていた。

「ああっ、うん、わからないことがあったら、何でも聞いていいから」
優等生だった伊織に劣等感がある孝雄は、教えを請うしおらしい態度に気分が良くなっていた。些細な事で幸せを感じる単純で男女交際未経験の大学生は、義姉と並んで歩く駅までの道のりを恋人同士がデートする気分でご機嫌だった。

義姉さんと孝雄 (4)につづく
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