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== 交渉人涼子2 ==

交渉人涼子2 7話 涼子の休日(5)

ろま中男3 作品リスト
交渉人涼子2 目次

交渉人涼子2 7話 涼子の休日
(5)彩

「きゃあんっ、かわいいっ」
ベビー服売り場で愛は大はしゃぎだったが、かわいらしい服に自分の着ているモノの数倍の値札を見て、山田は怖じ気づいていた。

「耕太さん、こんなのどう?」
涼子は天使の衣装にふさわしいかわいらしい服を山田に見せる。
「あ、いいですねえっ、う…」
ボーダーのシャツにチェックのミニスカが快活なコギャル風で、それを着た茉莉を妄想した山田はいつものバカ面でニヤけたが、値札を見ていきなりオチていた。

「じゃあ、これにする」
「涼子さん、これなんかどうですか?」
…、あるんだ…。
自分よりずっと給料の安い山田の心細さなど関知せずに満足そうな涼子に、嬉しそうな愛が持ってきたのはメイド風ベビー服だった。
「茉莉ちゃん、愛とペアルックしようね」
いかにも愛っぽいチョイスだと思っていると、お気楽婦警はベビーカーをのぞき込んでスクールガール風ミニスカのおしりを危うくしながら、1歳児にコスプレをそそのかしていた。

「うん、いいね」
あまり乗り気でない涼子に対して山田は嬉しそうだった。かつてメイド喫茶の事件で涼子にオーダーメイドのメイド服を着せて、自分も執事コスをした山田は親子3人のコスプレを妄想して、至福の喜びに浸っていた。

「…、耕太さん」
インナーワールドに入り込んだ夫にジトッとした視線を向けた涼子は、呆れた声をかける。
「あ、いいじゃないですか、ねっ」
涼子の声に現実世界に引き戻された特殊性向の夫は、値札無視でゲットする気満々だった。

「あ、そうか、4人で、できますね」
妄想世界で遊ぶ山田からのテレパスで3人のメイドコス姿を頭に浮かべた愛は、自分も参加する気満々だった。
「あ、ああっ、あうっ」
ニコニコと天使の笑みを見せる茉莉に
「茉莉ちゃんも気に入ったみたいですよ」
愛は都合のいい解釈で赤ん坊まで味方に引き入れる。

「いいわ、わかりました」
3対1の劣勢に追い詰められた涼子は、こんなコトで争うのはバカバカしいので不承不承了解する。
「帰ったら、さっそく着てみましょう」
親子3人コスを妄想した山田は、だらしない笑顔でいっちゃった視線を虚空に泳がせて心底嬉しそうだった。

「あの…、涼子先輩ですか?」
その声に振り返るとスーツ姿の上品な若奥様風女性が立っていた。
「あれ?…、ひょっとして彩さん?…」
キレイな化粧の下の素顔を想像した涼子は、女子高時代の後輩を思い出した。
「やっぱり、涼子先輩だあっ」
涼子が思いだすのと同時に済ました笑顔が人なつっこい笑顔に変わって、抱きついてきた。

「あの、涼子さん?…」
見知らぬ女性にじゃれつかれて戸惑いがちの涼子に、山田が不安そうに声をかける。
私の、涼子先輩なのに…。
涼子の豊満な胸に顔を埋めていい女は自分だけだと勝手に思い込んでいる愛は、嫉妬混じりの視線を送っていた。

「あ、ごめんなさい、耕太さんですよね、披露宴で…」
涼子にさんざんジャレついて満足したのか、彩が居住まいを正して山田にキレイなお辞儀をする。
「『涼子先輩』に毎日お世話になっている、愛です」
まだ彩が山田に話している間に割って入った愛が、「先輩」を強調して挨拶する。

「あ…、そうですか…、初めまして、雙葉で涼子先輩の後輩だった白戸彩です」
対抗心ムキだしの愛にやや引き気味な彩は、姿勢を正すとまたもキレイなお辞儀で頭を下げて自己紹介した。その仕草はお嬢様女子校の上品な仕込みを想像させる。

「あ、そうだ、涼子さんのお友達の…」
披露宴でひときわ華やかなグループにいた彩を思いだした山田が、うれしそうなバカ面をさらすと
「おぼえてくれたんですね、うれしいです」
20代後半の人妻は、ウットリした笑いに大人の色気を漂わせていた。

「やあんっ、カワイイ赤ちゃん、涼子先輩そっくりですね」
ベビーカーをのぞき込んだ彩に、茉莉が紅葉のような手を差し出して天使の笑みを浮かべる。
「ありがと…」
偶然の出会いに戸惑いがちの涼子は笑顔で応えたが、鼻と耳は自分似を自負する山田と「涼子先輩」を取られそうな愛は、若干不満そうに見ていた。

交渉人涼子2 7話(6) につづく
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