ろま中男3 作品リストH2(ハル子とヒロ) 目次H2(ハル子とヒロ) (19)変態医師
「だったら…、なんだって、結婚なんか、したんだよ…、おかしいよ」
夫を愛してないという言葉にすがりつくように、ヒロが悲しそうな声でつぶやいた。
「…、あの日は夜勤だった…、彼も当直だった…」
ヒロに横顔を見せるハル子がまばたきして、あふれた涙が頬に伝った。頬を濡らしたハル子はヒロの問いかけには答えず、淡々と話し続けた。
「…時間になったら起こしてくれ、って言われて…、仮眠室に彼を起こしに行ったの…、その時、襲われて…」
そこまで話したハル子は喉をつまらせて黙った。辛そうな表情はムリヤリ犯された悲惨な記憶に懸命に耐えているように見えた。ヒロは悲しそうな横顔を何も言わずただ見ていた。
「…、それからは、何度も、犯された…、勤務時間中に…、分娩室に連れ込まれて、分娩台に縛られて…、犯されたこともあったわ…」
何かを決意したように表情を引き締めたハル子はまた話し始めた。分娩台で足を広げて拘束されたハル子が陵辱されるのを妄想したヒロは、気付かないうちに息子を元気にしていた。
「…、元気ね…、もう一回する?」
顔の横でそそり立つ息子を見たハル子は、たくましい腰に手を当てて優しく見上げた。
「…、さ…、触るな…、淫乱女っ」
ハル子の優しい手の温かさに、劣情を昂ぶらせたヒロだったが、やせ我慢してその手を振り払うと、悔しげにハル子を見下ろした。
「…、そうよね…、淫乱女って、言われても、しょうがないよね…」
顔を伏せたハル子は、小さく息を吐くと悲しそうにつぶやいた。
「犯されて、感じたんだろっ…、だったら…、淫乱だよっ」
ハル子が別の男のモノになったことが悔しくて、怒りが堪えられなくなったヒロは拳を握りしめて罵った。沸々とわき上がる怒りと悔しさで思わず涙がこぼれた。
「…、ヒロと別れて、寂しかったんだと、思う…、彼にムリヤリ…、犯されても…、私は感じてた…、でも、信じて…、彼に犯されてるときだって、ずっと、ヒロのコト、考えてた…、ヒロに抱かれてると思って、ガマンしてたの…」
ハル子の悲しそうにつぶやきに、ヒロは涙に濡れた目をむけてみつめた。悲しそうなハル子になにか慰めの言葉を、と思ったがまだ完全に信じられないヒロは何も言えなかった。
「…、彼は私に休みを取らせると、監禁して毎日のように…、私を犯して、慰み者にしたわ…、さっきのアレも、その時が初めてだった…、いろんな道具を使って、私のカラダを弄んだの…、どんなに泣き叫んでも、許してくれなかった…、むしろそんな私を見て、楽しんでた…、そのとき、彼が異常性欲者だとわかった…、それまでは、彼が私を愛しているかもしれない…、という想いもあったけど…、彼は私のカラダだけが、目的なんだと、わかった…」
顔を伏せたハル子は淡々と話し続けたが、そこまで言うと黙って肩を震わせた。頼りなげに肩を震わせる姿は、助けを求めているような気がした。
「…」
変態男にずっと耐えてきたハル子のつらい気持ちに触れたヒロは、悲しくて悔しくてやり場のない怒りに歯を食いしばって、強く握った手を腰に押しつけてじっとその場に立ち尽くした。
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